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ハミガキ王子

昨年の夏の甲子園で優勝、この春早稲田大学に進学して六大学野球の人気を復活させた「ハンカチ王子」。高校一年生にして男子プロゴルフツアーで勝利し、その可能性にウッズもコメントしたといわれる「ハニカミ王子」。さわやかな笑顔で日々の血の滲むような練習努力を特別なことではないとさらりとかわし、あっという間に日本中の老若男女をとりこにしてしまいました。 ならば、次はさわやかな笑顔だったら誰にも負けない「ハミガキ王子」しかないでしょ! 歯科医師や歯科衛生士はハミガキ指導(レッスン)のプロです。私たちは、一人ひとりの患者さんの歯並びやお口の中の状態に合わせて、オーダーメイドのハミガキ方法を考えてレッスンしています。時には患者さんの手をとって一緒に歯ブラシを動かしてみたり、カメラに写してチェックしたり・・・。ほら、野球やゴルフの練習と似ていませんか? 我流ではなかなか上手にはなれません。上達の鍵はやはりレッスンプロに習うことでしょうか。磨いていても磨けていない、なんてかなり悲しいですものね。 歯は28本(親知らずを含めると32本)、歯と歯茎の境目や歯と歯の間のプラーク(歯垢・細菌の塊)をしっかり除去するためには、少なくても10分位はかかってしまうものです。それも、我流ではなくプロに習ってまあそこそこ上手になったとしてですよ。 さて、歯科医つれづれ記(読売新聞8月31日付)で安田登先生は「ハミガキ王子」養成三つの極意をこんな風に書いておられます。 <その1> まずはハブラシに何もつけない。ハミガキ剤をつければすぐに泡だらけになりうがいをしたくなる。うがいをすればハミガキは終わってしまう。これだと3分持てば良い方である。 <その2> ハミガキを洗面所で行わない。大体、洗面所というのはあまり恵まれた場所にあるとは言えない。泡だらけにならないのだから、自分の好きな快適な空間でするのがよい。居間でもバスルームでも、そして好きならトイレででも。 <その3> それでもハミガキだけで10分はさすがに疲れてしまう。そこで「ながら磨き」である。つまり退屈なハミガキタイムを紛らわせるために、テレビを見ながら、好きな音楽を聴きながら、あるいは明日の仕事の資料に目を通しながら、ハミガキを行うのである。 私は、この時手鏡を手元に置いて、時々ハミガキの進行具合や成果をチェックすることをお勧めします。上手な人ほど基本に帰って鏡の前でスイングチェック、というところでしょうか。なにはともあれとりあえず、1日1回は10分間、でも構え過ぎずに、楽しくハミガキしてみましょう。これであなたも「ハミガキ王子」!! あっ、もちろん「ハミガキ姫」「ハミガキおやじ」「ハミガキマダム」なんていうのもありですよ。