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はじめての歯みがき

「はじめてのおつかい」というテレビ番組があります。 小さな子供が、お母さんやお父さんに頼まれて、一人であるいは弟や妹と、ちょっとはなれたところにはじめてのおつかいという冒険に出かける行程をドキュメントするなかなかかわいい番組です。 道を間違えたり、たのまれた品物を忘れてしまったり、帰りは荷物が重くて疲れてしまって泣いちゃったり、とはらはらどきどき。 でも、待っているお母さん方はもっともっとはらはらどきどき。 そして、がんばってうちに戻ってきたときにお母さんに抱きしめられた時の安堵と喜びの笑顔は、言葉はなくても至高の幸せを見ている私たちに届けてくれます。 何でも「はじめて」のことは、不安がつきものです。何回か繰り返していくうちに、慣れてコツもつかみ上手にできるようになっていくのです。もちろん歯みがきも同じです。 ということで、今回は、東京都杉並区の母子健康手帳の「はじめての歯みがき」について新たに記載されたページを紹介したいと思います。 初めての歯みがきのポイント 子どもの口腔の健康増進のためには、口の中を清潔な状態に保つことが大切です。そのためには歯みがきをしなければなりません。しかし、口の中はとても敏感なので、乳幼児は歯みがきに慣れるまでは、泣いたり、口を開けなくなったり、歯みがきをいやがって逃げまわることもあり、苦労するお母さん・お父さんも少なくありません。 嫌がらす、楽しい歯みがきが習慣づけられるよう、以下のような手順でまずは歯みがき練習から始めていきましょう。 ■子どもの目の前で、親が楽しそうに歯をみがくようにしましょう。 ■最初から歯ブラシでみがこうとせず、まず生後8か月ごろから、子どもをあおむけに寝かせ頭を親のひざにのせ、子どもの歯を観察する(歯を数える)ことから始めましょう。観察が終わったら、必ずほめてあげましょう。これを1か月ほど、つづけます。 ■歯の観察をいやがらずにできるようになれば、乳児用の歯ブラシで1~2回、歯に触れる練習をしましょう。まだみがこうとしてはいけません。いやがればすぐにやめ、歌を歌う、お気に入りのおもちゃを持たせるなど、できるだけ泣かせず楽しい雰囲気でできるような工夫もしましょう。練習が終われば、必ずほめてあげましょう。これも1か月ほどつづけます。 ■歯ブラシを口に入れることに慣れてきたら、初めて歯みがきを始めます。しかし、この時点では歯をきれいにみがくことではなく、あくまで歯ブラシの刺激に慣れさせ、歯みがきを好きになってもらうことが目的です。子どもをあやしながら、鉛筆を持つ持ち方で歯ブラシを持ち、力を抜き、歯を見ながら1本ずつやさしくみがきます。1本5秒くらいで十分です。強くみがいたり長い時間をかけたりして、子どもを泣かせないよう気をつけましょう。また、じょうずにできたことをほめてあげることを忘れないようにしましょう。 ■1歳6か月健診までに、お父さん・お母さんも子どもも歯みがきがじょうずにできるよう、練習をしてみてください。 (東京都杉並区の母子健康手帳より)