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卑弥呼の歯がいーぜ

今回は「噛む」ことのお話です。 皆さんご存知のことと思いますが、よく噛んで食べることはとても大切なことです。 よく噛むと唾液がたくさん出ます。唾液は虫歯や歯周病を予防し消化を助けます。よく噛むと脳細胞が刺激され全身も活性化されます。また、生活習慣病やがん予防にも効果があります。 ところが、現代人は柔らかい食事を好む傾向にあり、噛む回数が少なくなってきています。遠く昔、卑弥呼のいた弥生時代には、1回の食事に約4000回咀嚼していたといわれています。これに比べ現代人は1回の食事に620回しか噛んでいないのです。第二次世界大戦以前は1200回ほど噛んでいたといわれていますから、60年あまりで、噛む回数は半減したことになります。 ファーストフードや加工食品を始め、最近の食事は、柔らかい=おいしいという傾向にあり、よく噛まなくても済んでしまいます。子供のころからこういった食事を続けていると、あごの成長発達が充分でなく歯並びが悪くなったり、噛む筋肉の衰えにより顔の表情が乏しくなったりと様々な障害が引き起こされてきます。 今の子供たちが好んで食べるメニューで忙しいお母様方もつい頼ってしまう、あまり噛まずにすむ食事の頭文字を並べて「ははきとく・おかあさんやすめ」というのがあります。 は  ハンバーグ は  ハムエッグ き  ギョウザ と  トースト く  クリームシチュー お  オムレツ か  カレーライス あ  アイスクリーム さん サンドイッチ や  焼きそば す  スパゲティー め  めん類 これに対して、お米を主食としてきた日本人の体に適していて、「よく噛む」という観点からも積極的に取りたい食べ物の頭文字を並べると「まごわやさしい」となります。 ま まめ(豆類・大豆製品) ご ごま(ゴマ・ナッツ類) わ わかめ(わかめ・昆布などの海藻類) や やさい(特に緑黄色野菜) さ さかな(特に青魚) し しいたけ(しいたけ・きのこ類) い いも(イモ類 ジャガイモ・サツマイモなど) どれもたんぱく質・ビタミン・ミネラル・食物繊維などが豊富で、これらをバランスよく摂取することが大切です。 噛む回数は、食べ物によって変わってきます。噛み応えのある食材選びのポイントは、噛み砕くのに力のいる硬いもの(ゴマやナッツ類など)、食物繊維が多く良く噛まないと飲み込めないもの(ゴボウやレンコン、切干大根など)、弾力があり噛み切りにくいもの(こんにゃくやきのこ類など)を上手に取り入れることです。 さらに、野菜の切り方を大きくしたり、加熱時間を調節するなど調理方法にも工夫をしてみてください。 大切なことは「噛む習慣」を身に付けることです。噛むことは、健康・美容・アンチエイジングに直結しているのです。日常の食生活で「噛む」ということに対する意識を高めて、充実した人生を送りたいものです。 では最後の言葉遊びは、「噛むことの効果」の頭文字です。 「ひみこの歯がいーぜ」(学校教育研究会標語資料参考) ひ  肥満を防ぐ よく噛むと脳の満腹中枢が刺激され食べすぎを防ぎます み  味覚が発達する よく噛むことで食材本来のおいしさを味わい、味覚が発達します こ  言葉の発音がはっきりする 噛むことは口の周りの筋肉を発達させ、きれいな発音となります の  脳の発達を促す 噛むことで脳に酸素や血液がより多く送られ活性化します 歯  歯の病気を防ぐ 唾液の分泌が増加し、虫歯や歯周病を予防します が  がんを予防する 唾液に含まれる酵素に発がん物質の作用を消す働きがあります 30秒以上唾液に浸すことによが効果的といわれています いー 胃腸の働きを促進 よく噛むと消化酵素が胃腸の働きを助けます ぜ  全身の体力向上 よく噛むと食いしばることができ全身に力がみなぎります やっぱり「よく噛むこと」は良いことばかりです。