院長コラム

HOME院長コラム人間ドックに行ってきました

人間ドックに行ってきました

昨日(11月8日・いい歯の日)、人間ドックに行ってきました。 毎年秋風が本格化してくる11月に、年一度の人間ドッグを受けるようになってもう8年程になるでしょうか。即日結果のでる項目については今年も何も問題はなく、まだまだいけるととりあえずほっとしております。というのも、胃カメラと婦人科検診については後日結果が郵送されてくるからで、まあ、それまでは毎年ちょっとドキドキではありますが。 さて、私が毎年受ける1日人間ドック(聖隷健康診断センター)では「健康講話」というものが組み込まれています。45分ほどですが、より健康になるためのアドバイスや日常生活に取り入れるヒントを毎回やさしくお話してくださいます。 今回は「口は健康の入り口」というテーマでのお話がありました。とてもいいお話でしたので、この内容を踏まえて私なりにまとめて書いてみることにします。 最近では国民のほとんどが知っている「メタボリックシンドローム」という言葉ですが、正しく理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。メタボと聞いて皆さんがまず連想するのは「おなかまわり(腹囲)」のことだと思います。 1)男性で85センチ以上 女性は90センチ以上 というのがメタボの基準になっています。これは、内臓脂肪を推し量る目安となる数値です。したがって皮下脂肪を貯めやすい女性は、男性より5センチ猶予があるのですが、この数値は最近多少見直しが必要なのではという議論もあります。いずれにしても手軽にメジャーで測ることができますから、わかりやすいですね。ただ「おなかまわり」とは、臍周囲(おへそ周り)のことですから、気をつけてください。 さて、メタボと診断されるのはこの腹囲の基準に該当し、さらにこれに加えて 2)血圧:最高血圧130mmHg以上または最低血圧85mmHg以上 3)空腹時血糖:110mg/dl以上 4)中性脂肪:150mg/dl以上 または HDLコレステロール(善玉コレステロール)39mg/dl以下 この2)~4)のうち、2つにも該当する方です。 不健康な生活習慣により内臓脂肪が貯まると、内臓脂肪から悪いホルモンが分泌され「高血圧・高血糖・高脂血症」になります。これにより「動脈硬化」が進み、死に直結する「心筋梗塞・狭心症・脳梗塞」をおこしてしまうというわけです。 上に記した1)~4)の危険因子をひとつも持たない健康な人と比べて、1つ該当すると約5倍、2つでは10倍近く心筋梗塞の危険度が上がるといわれています。では、3~4つ当てはまるメタボリックシンドロームの人ではどのくらい危険度が増すと思いますか? なんと30倍以上です。恐いですね。 ですから、この病気の連鎖を食い止めるために、不健康な生活習慣を改善し内臓脂肪を減らすことはとても大切なことなのです。 では、お口とメタボリックシンドロームとはどんな関係があるのでしょうか。 歯周病が全身に与える影響に、糖尿病や動脈硬化があります。歯周病を治療したら糖尿病が改善したという報告がありますし、動脈硬化の血管内から歯周病菌が認められたという報告もあるようです。 歯周病とメタボリックシンドロームは本当にとても深い関係があるのです。 歯周病はほかにも、肺炎、感染性心内膜炎や心筋炎、胃腸障害、神経痛やリウマチ、手の痺れや関節痛、副鼻腔炎(蓄膿症)、低出生体重児や早産にも影響を及ぼし、認知症の誘因になるともいわれています。 このように歯周病は全身に多種多様な疾患や不具合を生じさせる感染性疾患です。さらに、40歳以上の人の80%以上が罹っているといわれ、初期~中期にかけてほとんど自覚症状の無いまま進行することが多いのが特徴です。 どんな病気でも早期発見・早期治療ならそれだけ予後は良好です。ですから、お口の中も定期的にチェックすることは全身の健康のためにもとても大切だということが、わかっていただけると思います。 まさに「お口は健康の入り口」なのです。