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「カリソルブ」 ~タービンで削らない治療法~

「歯医者さんの何が嫌いか?」と聞けば、「虫歯を削るとき痛いから」とか、「あのキーンという音が怖いから」などという答えが多く返ってきます。確かに、タービンで虫歯(感染象牙質)を削られるのは気持ちいいものではないですよね。 ですから、皆さん一度は「虫歯にちょちょっと塗ったら虫歯が治る薬があればいいのに・・」なんて考えたことがあるのではないでしょうか。 そんな夢のような願望にちょっと近い、新しい虫歯治療液「カリソルブ」がこのほど日本で認可されましたので、ご紹介します。 「カリソルブ」は、スウェーデンの歯科大学、工科大学そして複数の研究機関とメディティーム・デンタル社によって1987年より10年間にわたり研究開発されました。一般臨床には、1998年よりスウェーデンを中心に導入され、現在では世界47ヶ国で臨床導入されています。日本ではこの度やっと認可が下り、正規に臨床に導入することができるようになりました。 カリソルブは、カリソルブ溶液(次亜塩素酸ナトリウムと3種類のアミノ酸の混合溶液)の作用により感染した象牙質のみを選択的に軟化させ、専用のインスツルメント(手用器具)を用いることで、その感染部位のみをかき出して除去することを可能にします。 カリソルブの特長 1.健全歯質の保存 :カリソルブを用いると、感染象牙質と健全象牙質が明確に区分されるため、う蝕組織のみを除去することが可能です。健全象牙質は不必要に除去されることなくしっかり保存することができます。 2.痛みの少ない治療 :カリソルブによる治療の多くはタービン等回転切削器具の使用や局所麻酔の必要性を最小限にとどめることができます。 3.静かで快適な治療 :タービンやエンジンなどの回転切削機器による不快な音や振動が発生しない快適な環境で治療を受けることができます。 4.安全性 :カリソルブは軟組織(歯肉や舌など)やエナメル質には作用せず、歯髄(歯の神経)への影響も報告されていません。 子供さんや高齢者、歯科恐怖症や痛みに敏感な方にはとても朗報だと思います。 ただこの治療法は、神経に達していない虫歯(C2)であることなど適用症が限られています。また今現在保険適用はされていません。 カリソルブに関心のある方やカリソルブ治療をご希望の方は、お気軽にご質問・ご相談ください。